「もしかして私?」
「鈍感すぎるだろ…」
ため息をつかれると肩を掴まれて
大地の方を向かされる。
「あのさ、もう伝わってると思うけど…
俺は、お前、
福原美葉菜のことが好きです。
福原は桜沢のことが好きなの知ってるけど、諦めきれない。
俺と付き合ってください。」
大地の普段からは考えられない真剣な声。
私の唇に大地の顔が近づいてきて
一瞬だけ触れ合う。
漫画やドラマであんなに憧れていた
ファーストキスなのに
不思議と私は冷静だった。
「福原の唇って甘いのな。
なんかリップつけてる?」
大地が微笑みながら言う発言に、
遅ればせながら頬が熱を持ってくる。
「付けてない。今日試合だったし」
「ふーん。すげー可愛い。」
「あの…
一応ファーストキスなんだけど…」
「マジラッキーっ。てかこんなに可愛いのに
…よく狙わなかったな… 」
最後の方はよく聞き取れなかった。
「なんか言った?」
その時、顧問の先生が入ってきて
慌てて目線を外す。
簡易的に診てもらっていると、
やがて車の音がして
おばさんと桜沢くんが降りてきた。

