回収されてたどり着いた先は体育倉庫の影。

「ちょっと!何すんのよ!」

口を塞がれていた手が取れた瞬間
浩ちゃんと
もう1人の男子、大地に文句を言う。

「だって、そうしないと福ちゃんあの人に
殴りかかってたじゃん。」

「そうそう」

大地も同調する。

「別にいいじゃん」

「ん?いいのか?あいつに嫌われても。」

「よくないよぉ😭」

ポロポロ涙をこぼすと

「よしよし」
浩ちゃんが慰めてくれた。

私と浩ちゃんは小4からの幼なじみ。
親の転勤で東京に来た私が馴染めたのは
浩ちゃんのおかげでもある。

全国的に名門校であるこの御星学園に
入るために2人ともぐったりするまで
勉強した。
合格した時は…嬉しかったなぁ。

「行くぞ」

大地は男バスのエース(自称)
少し乱暴なところはあるけど、
見てるところは見てくれてる。

すごくいいやつ。 

今だって、「HRに遅れるぞ」

ちゃんと見捨てない。

「了解。さ、福ちゃん行こう。」
2人と一緒に昇降口へ歩いて行った。