side美葉菜

「ありがとう。」

早乙女さんから LINEのIDを渡された時、
“バタン“ドアが開いて千晶が入ってきた。

「美葉菜ここにいた!大丈夫だった?
ごめんね気づかなくて…」

ここで早乙女さんに気づいて、
胡散臭そうに早乙女さんを見る。

「あなた、美葉菜に何やったの?」

大声で喰ってかかる千晶を慌てて押さえる。

「違う違う、
美音ちゃんは助けてくれただけだから。」
「そう。」千晶は私を見た。

そして、
「ごめんね。絶対、私のせい。
私が本当のことを
かいつまんで大まかに言っちゃったから
大竹さんに勘違いされたんでしょ。
本当にごめんね。」
頭を下げる。

「千晶のせいじゃないよ。
私がちゃんと説明できなかったのが悪いし
そのおかげで
美音ちゃんと友達になれたわけだし。
良いこともあったよー。」

美音ちゃんに悪いことをされていたわけではないと分かってほっとしたような千晶。

ここで美音ちゃんが、
「石井さんも
LINE の番号を交換してくれない?
もし良かったら、
友達になりたいなーって。」

「いいよ!よろしく。
あ、千晶って呼んでくれて良いから。
美音ちゃん!」
ニコッとする千晶。

私も笑顔でスマホを差し出した。