side美葉菜

「お疲れ〜」

千晶が駆け寄ってくる。
今日は部内の練習試合。もちろん勝利して、

今は更衣室の外。千晶は先に着替えて待っていてくれたらしい。

「お疲れ千晶」

「一緒に帰ろう」

そこで私は重要なことを思い出した。

「ごめん千晶、今日私帰る方向違うわ」

千晶はニヤリと笑って

「桜沢君と?」

え、なんで千晶が知ってるの?
誰にも言ってないし言うなって
  桜沢君に言われたから守ってきたのに…

「昨日美葉菜の家の近くではない駅にいたでしょ。桜沢くんと。私見たんだ」

千晶に見られていた 。

ぐっと私の肩を掴んだ千晶。

「スタバの新作美味しそうだったなぁ。
奢ってあげてもいいけどなー。」

「話します」

やっぱり新作のいちごの生クリームフラッペは美味しそうだったし、

千晶に隠し事はできないし。

そう思いながらスタバに行くと

「あれ福ちゃんと千晶ちゃん」

 浩ちゃんがいた。

そして驚いたことに
「こんにちは」

早乙女さんが浩ちゃんと一緒にいた。


「何で早乙女さんと一緒にー」

千晶が叫び声をあげる。

私も気になる。
浩ちゃんと二人っきりってことは
浩ちゃんとデートしてるって事だよね。

というか、
そもそも何で浩ちゃんと早乙女さんは
             知り合いなの?

「二人ともまだ帰らないでくれない?
あ、もちろん美葉菜も〜
聞きたいことがいっぱいあるから。」

千晶が帰ろうとした早乙女さんを説得している。
早乙女さんがしぶしぶ座って、
報告会という名の事情聴取が始まった。