side美葉菜

「いらない」

その人は私が一週間かけて書いた手紙を
たったの5秒ほどちらっと見ただけで
一言言うと
友達と一緒に歩いて行ってしまった。

「…💢」

呆然としたのも確かだが、
その後すぐに怒りが湧いてきた。

「待てっ!」
殴りかかろうとした私を

「ちょ、ちょ、福ちゃんダメだって」
後ろから浩ちゃんが腕を押さえてくる。

「だって、人がせっかく一週間かけて書いたラブレターを💢」

「うん、うん、お疲れ」

浩ちゃんが私の頭を撫でようと
腕を押さえていた手を退けた途端、

私はポケットに入っていたものを
その人に向かって投げつけた。