side美葉菜
「起きろ」

その声で私は心地良い睡眠から引き戻される。
「待って、父さん あと3分だけ…」

「父さんかよ」

呆れたようなイケメンボイス。

父さん、声変わった?
しぶしぶ起きると、

「ぇ、何コレ」

知らない場所だった。
「あ!」
そうだ、私居候しているんだっけ。

で、その家がまさかの桜沢くんの家…

じゃあ、さっきのイケメンボイスは
桜沢くん? 
どうしよう、私寝顔に自信無いのに。
(というか、どの顔にも自信無いけど)

大変、大変、と慌てていつもより念入りに
髪も洋服もセットして降りていくと、

「みっちゃ〜ん」小さくて可愛い男の子が飛びついてきた。

「おはよー!僕 進斗 です。小3です。
よろしくね〜」

進斗くんは家族の紹介もしてくれるみたい。

ご飯をかき込んでいる男の子を指差して、

「こっちは蓮兄ぃ。中2」

「よろしく。」

ニコリとする。
さすが桜沢くんの弟だけあってイケメンだ。

桜沢くんはまだ来ていない。

私も席について
「いただきます。」
と食べ始めた。