ベタな少女漫画じゃあるまいし。
「あら、知っているのね」

「はい。」

そりゃ知ってるだろ。告白したんだから。

「良かった。
知ってる人がいた方が心強いでしょ。
さ、さ、みっちゃん部屋に案内するわね。」

父親2人はまだ話していたが、
母が福原を連れて行ったので
その場も解散となり、俺も部屋に戻った。

“コンコン“

「はい」

ドアを開けて遠慮がちに福原が入ってきた。
「何?」
出来るだけ不機嫌そうに反応すると
一瞬怯えた顔をしたが
「今日からよろしくお願いします!」
勢いよく頭を下げた。

「あのさ、ベタな少女漫画じゃあるまいし、俺お前のことあんまり好きじゃないから
変な期待はしないで。
あ、後学校では絶対に秘密な。」

一気に言い終わると

「じゃ」

部屋の外へ追い出した。
これでいいんだ。
どうせいつかは出ていく。
変に期待持たれて勘違いさせるよりは
冷たくした方が。