と思っていた俺が甘かった。

チャイムの後に現れた2人。

父と友人だという男の方は笑いながら
父と話しているが、

女の子の方が告白してきた
あの子だった。

マジか…
「可愛い!」進斗が叫ぶ。
「ああ、同感」あんなに文句を言っていた
蓮斗も見惚れている。

「こんにちは、福原です。
よろしくお願いします。」
男の方が俺たちに気付いて頭を下げた。
女の子の方も頭を下げる。

「こんにちは!お名前はなんていうの?」
ハイテンションな母が話しかける。

「福原美葉菜です。」

「美葉菜ちゃんね、んーと、
 みっちゃん!
 みっちゃんね!よろしく!」

テンションの高い母はさらに質問を続ける。

「高校生だよね!どこの高校?」

「御星です。」

「あら、御星!うちの息子も御星よ!
A組の桜沢凛斗って知ってる?」

「あ、はい、もちろん 」

福原が若干顔を赤くする。幸い母や弟たちには気付かれていないようだが

勘弁してくれよ…

心の中で呟く。