side凛斗

“ピンポーン“チャイムが鳴った。

「あ〜来ちゃったかー。」
嫌そうにつぶやく蓮斗に
「え、楽しそうじゃん。蓮兄ぃはなんで嫌って思うの?」
進斗が無邪気に聞く。
まぁ、蓮斗の気持ちも分かんなくはない。

今までの1人部屋が 
進斗と同じ部屋になるのだから。
それにしても突然だった。
今朝、長電話から帰ってきた父が、
「今日からこの家に人が滞在する」と発表した時は驚きのあまり、

蓮斗がコーヒーを吹き出し、

進斗が椅子から転げ落ちたらしい。

俺は零と美音と図書館に行っていて見ていないけど。

で、俺が帰ってきたときには既にその
「福原さん親子」を迎える準備が出来上がっていたというわけ。

それよりも俺が気になるのは
「福原」
という苗字。
確かこの前告白してきた子も福原だったよな。
福原さんなら全国にいっぱいいそうだし。
単なる偶然か。