真夏の恋は深い青


私たちは4人揃ってアイス屋さんへ向かう。
途中琇が何やら話しかけてきたけど、暑すぎて頭に入ってこない。

「紅亜!!」

「…」

「くーれーあっ!!」

…ん?誰かに呼ばれてる?
…琇の声だ。琇に呼ばれてる。

「紅亜!!
着いたぞ!アイス屋さん!!」

あぁ、私今アイス屋さんに向かってたんだった。

「…い、いつのまに…。
ちょっとぼーっとしちゃった。」

「ぼーっとしすぎだっつーの!
俺が話しかけてもずっとうんしか言わなかったんだからなー」

え、嘘
私そんなにぼーっとしてたんだ。
ってゆーか、琇もしかして、怒ってる?
これは謝るしかない…

「ご、ごめんナサイ…」

「いや、そんな。急に謝られても、俺が困るし…!」

あは。
琇って謝るといつもこうなる。
なんか面白い…!

「なぁに
笑ってんだよー。
奢ってやるから好きなの選んで」

え!本当に奢ってくれるの?
なんかちょっと悪いよね…

「ほ、本当に奢ってくれるの?
琇のくせに、優しいじゃん。」

「なんだよ“琇のくせに”って。
蒼斗も狭間に奢ってるんだから、俺だけ奢らないとかないだろー
ほらはやく何味にするか決めろよ」

何味にしよーかなー
イチゴもいいなー
チョコミントがいいかも…

「決めたっ!!
私期間限定のスイカシャーベットにするっ!」

「おう。
って、ん?
1番高いやつ選びやがったなー!」

ふふっ
バレたか

「だって琇が“なんでもいいよ”って言ってじゃん!!」

「よし!
買ってやるから待ってろー!」

なんか今日の琇、いつもと違う気がする。
なんでだろ。同じだけど何かが違う。