はーいこれで終業式を終わりまーす。
気を付けー。礼!!
私の名前は片山 紅亜。
どこにでもいる、平凡な女子高校生。
私は今まで恋というものをしたことがない。
恋がどんなものかもよくわからない。
高校に入学して初めての夏休みが今、始まろうとしている。
終業式の挨拶が終わると、一斉にみんなんなが立ち上がり、蒸し暑い空気が押し寄せてくる。
私は迷わず親友のえるの席へ直行。
今日は暑いしアイス食べたいな。
「えるー!今日アイス食べてから帰ろう よ!」
「いいねいいね〜
琇と蒼斗も誘うよねっ?」
う…
いつも4人でいるからたまには2人で話したかったのに…
でもえるは蒼斗のことが好きだからしょうがないか…
私はえるの恋を応援するために、幼馴染みの琇、えるが大好きな蒼斗、そしてえると私の4人でいることが多い。
「…うん。もちろん!だってえるの大好きな蒼斗だもんねー」
「は、恥ずかしいこと言わないでよもー♡」
こんな可愛い笑顔で言われたら、女子も男子も反論できないよ。
「える、照れすぎだよー
はやく“えるの蒼斗”と琇探しに行こって!」
「んもー
付き合ってもないにのにそんなこと言わないでよ。ただのえるの片想いだから…」
やばいやばい…
えるが悲しげな顔してる。
「ごめんってー!
これから蒼斗達のとこ行くんだから元気出して?」
「うん…!」
よ、よかった〜
えるの顔に笑顔が戻った!
「琇ー。
蒼斗ー。今日アイス食べてから帰ろー!」
私が誘うと琇と蒼斗はすぐ乗ってきた。
「お!いいじゃん。
蒼斗の奢りな!」
「おい琇!
それはないだろー」
あは。
なら2人に奢ってもらおーっと!
「はいはい〜
喧嘩しないの〜
そんなに奢りたいなら、2人で私とえるのアイス奢ってねー」
「“最悪〜”」
