焼けたお肉を 務のお皿に 取りながら

「ねえ務。正直に答えて。」

私は さりげなく 聞いてみる。

「なに?」

「務 今 彼女いるんじゃない?」

私の言葉に 務は 黙って 私を 見つめた。


「レーナ。俺 今日 ちゃんと 話そうと思って来たんだ。」


私は 微かに頷いて 身構える。

大丈夫。何を聞いても 驚かない。


これで最後になっても 後悔しない。

曖昧なまま 自分を誤魔化すなんて 

私らしくないから。


「レーナ。俺と 結婚を前提に 付き合って下さい。」


務は お箸を置くと いきなり言った。


「えっ?」


私は お箸を 落としそうになるくらい 驚く。