お父さんの 建設業を継いだ務は

俊樹よりも 自由な雰囲気で。


「務、焼けてるね。仕事 大変? 」

私が聞くと

「さすがレーナ。悠香なんて 俺の日焼け サーフィンのせいだと思ったんだよ。」

務は 茶化しながら 答えたけど。


私を見る目が ちょっぴり熱くて。

私の胸は キュンとしてしまう。


「次期社長だもん。スゲーよ。」

俊樹が 務を 持ち上げる。


「潰れそうな会社継いで。将来なんて ないよ。」

務は 苦い顔で 言う。


「えー。務君の会社の ホームページ見たけど。手広くやってるじゃない。」

悠香は 真剣に 務に言う。


「勝手に 見るなよ。」

照れて 口を尖らせる務。


私は まだ 胸がドキドキして

会話に加わることが できなかった。


ただ 曖昧な笑顔で みんなを見回して。


少しずつ 心を 落ち着けていた。