オタクニートが聖女になりました

その刹那《せつな》
何かが私の目の前に、遮るように現れた。

「しっかり捕まっていろ」

低い、冷静な声がした。
次いで、赤い液体が散る。其れは辺りに舞い、私にも雨のように降って来た。

生暖かい。

頰から口内に伝った液体はしょっぱい。其れが血液だと解るには少し後の事だった。

気が付くと辺りには狼達の切り裂かれた死骸が散らばっていた。