部屋に戻ると
『コンコンコンコンコンコンコンコンコンコンコンコンコンコンコン』
と窓を叩く音がした。
結糸の部屋の窓と、私の部屋の窓は向かい合っていて、結糸はいつもこうやって私を呼ぶ。
「なーに!そんなに叩かなくても…」
私が窓を開けると、がさっと言う音とともに何かが飛んできた。
「それ、やるよ」
部屋の中央まで飛んでったそれを拾って、思わず動きが止まる。
それは結糸が大好きなチョコのビスケット。
「え?なんで、、、いいの?」
窓枠に頬杖を付きながら、結糸は
「いや、なんか元気なさそうだったから。」
と言って恥ずかしそうに目を逸らした。
「ありがと、嬉しい。」
