「ただいまー」
とお父さんの声がした。
「おかえりー」
と叫びながら、私は急いで部屋から出た。
リビングにはもう夜ご飯の準備がされていて
お母さんが私の方をちらっと見てきた。
「お父さん、玲乃がはなしがあるそうよ。」
「おお、改まってどうしたんだ」
お父さんは丁寧にジャケットを畳みながら聞いてきた。
「あのね、私上京したくて、この高校に行きたいの。」
私はスマホでその高校のホームページを開いて見せた。
「上京?そんな…ん?」
ホームページを見たお父さんは驚いたように声を上げた。
急いでお母さんも私のスマホを覗き込む。
「玲乃、ほんとにここ行きたいの…?」
お母さんも驚いたように聞いてきた。
