私は、自分で言うのもどうかと思うけど顔が良い。ハーフっぽい顔立ちに茶色の目、ぱっちり二重に色白の肌。
生まれてきてからずっと家族に、親戚に、友達にかわいいって言われて育ってきた。
だからモテないわけがない。小学校でも、中学校でも、私の事を好きな人はたくさんいた。でも、告白してくる人はほんの一部。
男子の間での私は“高嶺の花”。手を出せる存在ではないのだ。
手を出してこないのにどうして自分の事が好きと分かるのか。自惚れているんじゃないか。そう思う人も居るかもしれないけど、自惚れてなんてない。
私に接する時の男子は本当に単純で、わかりやすい。私のことが好きというのがすぐに分かる。

岡部もそうだった。
控えめだけど、わかりやすいアピール。

「ねえ、LINEしてる?」

って顔を真っ赤にしながら聞いてくるのはいいものの、それ以上は聞いてこない。そしてこれが何回も続くとなると、もうさすがに気付いてしまう。

そして予想通り、1ヶ月後

「ねー岡部って美己都のこと好きらしいよー」

って同じクラスの仲いい子が言ってきた。
知ってたけど、知らないふり。

「え、なにそれ…」

「いいじゃんお似合いじゃん!」

クラスの女の子に押されたらしく、後日、岡部が電話で告白してきた。

私は、好きではなかったけど、断る理由もなかったので、その告白に

「はい」

って返事をした。