「明梨、歌いながらたこ焼き作ろうっか」


「何の曲?」


「もちろんアミュで」


なぜ今、アミュレットを選ぶかな。


ムッとふくれた私を見て、アハハと笑った麻帆ちゃん。

「毒薬って、即効性ありそうじゃん」

と、楽しそうに私の肩をポンポンポン。


「歌いたくないって言ったら?」


「明梨の意見なんて無視。私が一人で歌っちゃうよ」


なによ、それ。

毒薬って、私のメンタルを滅ぼす気?


でも……

麻帆ちゃんの思いついた荒療治(あらりょうじ)に、自然と笑いがこぼれる。


「明梨がアミュレットの曲で一番好きなの、当ててあげようっか?」


「麻帆ちゃんには、当てられないよ!」


「『LOVEバドラー』でしょ?」


……えっ?

なんでわかったの?

誰にも言ったことなんてなかったのに……