神様、私を雨女にして



次の日。

よかった、雨止んでなかった。

雨宮くんよりも早く起きた。


ベッドから降り、窓の外を眺めてる。




「 んん……佐伯ぃ? 」

「 おはよう! 」

「 何見てたの? 」



雨宮くんもベッドから降りて、
私を後ろから抱きしめた。




「 このままずっと雨が続けばいいのに… 」


「 ふっ、バカな事言ってんじゃないよ。
ほら、準備して!動物園行くんでしょ! 」


いつもより念入りにメイクをする。


「 準備出来た! 」




雨宮くんの家を2人で出る。

相合傘をしながら2人で歩く。



手を繋ぎながら、歩幅を合わせてくれる。




時々、傘で顔を隠し、甘いキスをする。



こんなこと、雨の日しかできない。




雨宮くんと一緒だったから、
動物園まで直ぐに着いた。




「 やっぱり雨だから空いてますね! 」


「 イチャイチャし放題じゃん 」



そんなことを言われる度、
余計に好きになってるのがわかる。



雨宮くんは、私を後ろから
抱きしめながら動物園を回った。




「 もう、歩きずらいよ! 」

「 佐伯から離れたくないんだもん 」

「 んもー……!! 」




野村くんと行った時は、途中で
あんなことがあったから
全部は回れなかったけど、


雨宮くんとはゆっくり、じっくり
回ることができた。




「 ああ、もう終わっちゃった。 」

「 楽しかった? 」

「 楽しかったよ!でももう終わりだ… 」

「 なに?寂しいの? 」

「 うん…… 」




「 でも佐伯見て? 」

雨宮くんが外を指さす。



「 まだ雨降ってるよ? 」


「 えっ…… 」

「 どうする? 」


「 まだ、一緒にいていいの…? 」

「 いたいでしょ? 」


「 うん! 」

「 じゃあ、次はどこいく? 」

「 雨宮くんの家、戻ろ? 」

「 え?それでいいの? 」


「 うん!やっぱり安心するから! 」

「 ああ、昨日の続きやりたいんだー? 」

「 違うってば、っっ……/// 」

「 あー、顔赤い!! 」




雨宮くんの家に着く。



「 はあぁぁー、佐伯いぃぃ 」

珍しく雨宮くんが甘えてくる。



「 やっと2人になれた 」

「 雨宮くん、かわいい 」

「 昨日の佐伯はもっと可愛かったよ 」

「 もう私、忘れた…… 」


「 じゃあもう1回教えてあげるよ 」

「 いや…ちょっと…… 」

「 かわいい佐伯、教えてあげるから 」





昨日よりも優しく、愛をくれた。


雨宮くんからの愛が嬉しくて、
幸せの中、眠りについた。