次の日。
雨の匂いで目が覚める。
今日に限って雨か。
雨宮くんに会うのが、
勝手に気まずいと思ってしまう。
あのことがあってから、
絵梨奈さんと一緒にいる時の
雨宮くんの幸せそうな顔が忘れられない。
そんな雨宮くん、見たくない、、
私から連絡しなかったら、どうなるんだろ?
雨宮くんから来ることはあるのかな?
今日は、雨宮くんからの連絡待ってみよう。
だけど…
午後を過ぎても来ない。
夕方を過ぎても来なかった。
やっぱり私が言わないと会わないんだ。
改めてただの私の片想いだと再確認される。
私から、連絡しよう。
そう思ったとき、
『 雨降ってるよ 』
雨宮くんからメールが来た。
この人は、ずるいと思う。
会いたいとか、
今から来てとか、
そんな言葉はくれない。
最終的に、私が自分の意思で
雨宮くんの元へ行くのがいつものこと。
それでも、あんな言葉でさえも嬉しくて、
ストレートに言わないあの人が愛しくなる。
『 今ちょうど行こうと思ってた 』
雨宮くんが欲しいであろう言葉を送った。
傘も差さず、雨宮くんの家へ向かう。
雨に当たると、なぜか安心する。
心のモヤモヤを流してくれるような感覚。
傘もささず、ずぶ濡れな私を
周りからの冷たい視線を感じる。
それでもいいの。
今から私には、幸せな時間が待ってるから。
ピーンポーン
「 はーい 」
ガチャ
「 えっ……どうしたの…… 」
ビショビショな私を心配している瞳。
そんな貴方が可愛くて。
「 とりあえず早く入って!! 」
玄関に入った瞬間に、
私は雨宮くんに倒れてしまった。
「 えっ!?佐伯?大丈夫…?? 」
雨宮くんの首に腕を回す。
「 会いたかった…… 」
「 俺も、会いたかったよ 」
「 この前、直前でキャンセルに
なっちゃったから…寂しかったよ 」
「 ごめんな。晴れるとは思わなかった。 」
「 雨宮くん…好き…… 」
「 ねえ、佐伯、あ、当たってる…… 」
雨宮くんの上から降りる。
「 佐伯…?どうしたの? 」
「 私、野村くんから告白されたの。 」
「 えっ!?それ、ほんと? 」
「うん…… 」
「 佐伯は、なんて言ったの? 」
「 考えてって言われたから、
わかったって答えた。 」
「 なんで断らなかったの!! 」
「 えっ? 」
「 野村のとこに行くの? 」
「 雨宮くん…… 」
「 行かないでしょ?
俺から離れたりしないよね? 」
「 ……… 」
「 だめ…どこにも行くな…
俺以外好きじゃないよな? 」
いつもの雨宮くんよりも余裕がなさそう。
私を強く抱き締めた。
「 だめ!野村になんか渡さない!!
佐伯は俺のだから!
野村のとこに行ったら許さない! 」
「 でも、雨宮くんには絵梨奈さ…… 」
「 関係ない!佐伯は渡さない! 」
壁に押し付け、激しいキスをした。
激しく責められ、雨宮くんに恐怖を感じた。
「 俺から離れられんの? 」
「 離れられないです…… 」
「 そうだよね?俺のこと好きだもんね 」
「 うん、、大好きっ、 」
「 もっと俺に伝えてよ 」
「 雨宮くんが好き…
雨の日だけじゃなくて、晴れの日でも、
いつでも雨宮くんが欲しい!
寂しいの!雨宮くんが大好きだから…… 」
私の言葉を聞いた雨宮くんは、
満足そうな笑みを浮かべた。
「 ありがとう、嬉しいよ。
佐伯の気持ち伝わったよ。
じゃあ、ご褒美あげないとね 」
引き出しから初めて見る玩具を取り出した。
「 これ、何か知ってるでしょ? 」
「 ……うん 」
「 やってみたいよね? 」
「 ……うん/// 」
「 じゃあ、脚広げてみて? 」
ブブブブブブブブブ
振動音があと少しで快感の場所に当たる。
「 あ、あああっ!! 」
「 まだ触れてないんだけど 」
「 でも、もうやばいよ…… 」
内ももに当たる。
焦らされてるのが、逆に気持ちいい。
「 ねえ、早く…イジワルしないで… 」
「 もっと右? 」
「 そう…雨宮くん、お願い…… 」
「 垂れてきてる 」
「 気持ちいいの……!! 」
声を抑えられず、いつもよりたくさん喘ぐ。
そんな自分が恥ずかしかったけど、
雨宮くんが嬉しそうな顔をするから
余計に声を出してしまった。
それから、何回も玩具で責められ、
何回イっても許してもらえなかった。
「 もうイけないっっ!! 」
「 俺がまだ満足してない 」
何回絶頂を迎えただろう。
気絶しそうになるくらい、操られ続けた。
「 ごめん、やめらんなかった…
佐伯の喘ぎ声、かわいすぎるから… 」
「 ……だき、しめ、て 」
声も掠れ気味になる。
「 佐伯、おいで 」
ベッドの上で強く抱きしめられた。
「 気持ちよかった? 」
「 うん…… 」
ブブブブブブブブブ
雨宮くんがまたスイッチを入れた。
その音を聞いただけで、私の体が熱くなる。
「 あま、みやく、ああっ、やめて… 」
「 触れてないのに感じるようになった?
俺のオモチャになっちゃったね。 」
窓の外を見れば、まだ雨が降ってる。
「 明日も雨らしいよ 」
「 えっ? 」
雨宮くんの顔を見れば、
優しそうな顔で、私を見つめていた。
「 どうする? 」
「 今日、泊まってもいい…? 」
「 そう言うと思った。 」
こんなに幸せなことがあっていいのかな。
2日連続で一緒に過ごせるなんて、
恋人同士と変わらないんじゃないか。
「 部屋でゆっくりする? 」
「 動物園…… 」
「 えっ?動物園……? 」
「 行きたい! 」
「 雨なのに……? 」
「 うん!! 」
「 じゃ、外でデートしよっか 」
雨宮くんと、動物園デート…
つい、ニヤけてしまう。
明日、雨が止んでませんように。


