「じゃあ先生フラッグスタンド回収しますね〜。」

学年主任が各クラスの先生に渡していたフラグ置きを回収し始める。

「ユキちゃん、フラグスタンド回収だって〜。」


七虹がユキちゃんに声をかけると、ユキちゃんの顔色がどんどん青ざめていった。


(まさか…。)


フリーズした行きちゃんを見て、私は少しイヤな予感がする。唾を飲み込んで話し始めたユキちゃんの声はかすれていた。


「どうしよう…!忘れてきちゃったー!僕もうあんなところ戻りたくない!怖いよぉ。」


ユキちゃんはそう言いながら、私にすがりつくような目線を向けてくる。
どうやら、先生だから仕方なく見回り役をしていたらしく、ユキちゃんの恐怖メーターはとっくに限界が来ていたようだった。



「はいはい。行ってきたらいいんですね。」


私はユキちゃんの目線に諦めて、さっきのルートは反対側の道からフラグスタンドを取りに向かった。