決まってない


「あ!あれじゃない?」

七虹が指差した先にクラス分け表があった。私たちはドキドキしながら自分の名前とみんなの名前を探す。

(みんなと一緒だといいな。)

そう願いつつ、私は恐る恐る一番左にあるA組に目を向けた。



少しの沈黙の後、まなったんがすぐに口を開いた。

「えーっと、あ、私A組だ。」


その言葉の後に、私も自分の名前をA組から見つける。


「あ、私もだ。」

知らない環境で1人でも友達がいてくれるのは心強い。

そう思っていると、

「私もだよ!」

と言って七虹が口を開いた。私は急いでりっちゃんとカナヲの名前を探すと、どっちの名前もA組にあることが分かった。



「やった〜!!」


みんなで喜んでいると、


「みんな〜おはよ〜。」

気の抜けるような声を出しながら、呑気にあくびをしてこっちに向かってくるカナヲ。

「カナヲ!私たちみんな一緒のクラス!」

そう言って、まなったんが嬉しそうにカナヲの元へ走った。

「まじ!最高じゃん。また一年よろしくな〜。」



嬉しさを共有していると、私たちが教室へと向かう頃には周りにはほとんど人がいなかった。