真っ白な世界


右にはお父さん、左にはお母さんと

手を繋いで歩く高校生の私




「お父さん お母さん、大好き!」


そんな私の言葉に


「お母さんも、美月のこと大好きよ」

「父さんも、大好きだぞー!」




3人で笑い合って抱き合った




「ずっとずっと会いたかったの

そして謝りたかった。あの時、あんなこと言って、ごめんなさい。

私もお父さんとお母さんの住む世界に行きたい」




あの日からの私の願い




「何言ってるの美月。

何も悪くない、あなたは何も悪くないわ。

生きて欲しい、生きて、幸せになって欲しい。

お母さんたちの分まで、幸せに生きて。

それが、お父さんとお母さんからの最後のお願い」




繋いでいた手が離れて、二人はどんどん進んでいく




「待って!待ってよ!!ひとりにしないで!

置いていかないでよ!!」




その叫びに二人が振り返る




「美月は、もうひとりじゃないだろ?」




お父さんが優しく微笑んでそう言った




背を向けて歩き出した二人の背中が、白に包まれ見えなくなった








┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈