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ブォン ブォン ブォン─────…




その暴走とやらは、耳を塞ぎたくなるほどうるさいらしい


サンタやトナカイのコスプレをしたメンバー、イルミネーションが付いているド派手なバイクもある




いつも倉庫で見るような無邪気で明るい表情とは一変して、イキイキとした希望に満ちた表情を浮かべるみんな




私はいつもの黒塗りの車に朔夜と乗った




｢出せ｣


朔夜のその低い声を合図に運転手が
｢パァーン｣とクラクションを鳴らす


いっせいにバイクが走り出して、この車も後を追う




人生で初めて体験した "暴走" とやらは、

体がゾクゾクするほど胸が高まるものだった



車の多い交差点に突っ込んで、みんなのために道をつくる陽人の見事な運転さばき


バイクのコールとパトカーのサイレンが響きわたる街




たくさんの人々がこの暴走を

Black Shadowを

そして朔夜の乗るこの車を、憧れの眼差しで見ていた




またまた実感させられる




私の隣に大股で座る堂々としたこの男は、関東のトップ

2500人以上を従え、指示を下す総長様




無口だし、いっつも主語が抜けてて何言ってるか分からないことが多いけど


私の彼氏は、私が思っていたよりもすごい人らしい