「う… うぅ…」


涙があふれて前が見えない

苦しくて息を吸うことができない



朔夜が私のもとに駆け寄って、はだけた胸元に優しく自分のパーカーをかけ、丁寧に縄をほどいてくれる



すぐに抱き寄せられたけど

私の身体はまだコントロール出来なくて、触れられるたびビクビク痙攣し、熱を持つ




「はぁ はぁ…

い、今 私に、触らないで…」



本当は朔夜に抱きついて安心したい

でもそれができる身体ではなかった



「美月、薬 盛られてるんだよ

これ飲んだ方がいい」



そう言って粉薬を見せた陽人の目は赤い



「悪かった… 怖かったよな、ごめんな…

これ飲んで起きたら、楽になってるから…」



顔をゆがめて言った陽人から薬を受け取り、悠がくれたペットボトルの水で流し込む



あっという間に目が閉じて、私の意識は途切れた────────