ありったけの愛を叫んで

「俺はごく普通の家に産まれて、特に何の悩みもなくボーッと生きてきたんだよ

親父とおふくろの仲も良くて 親父のバイク屋も上手くいってて、よくあるありきたりな人生を送るんだと思ってた


中学に入ってすぐの頃、30人くらいに囲まれた二人組を見つけて面白そうだなと思った俺は、遠くから盗み見たんだよ

本当に一瞬だった
あっという間に倒した、ひとつも拳をくらわずに返り血だけ浴びて立ってるあいつらを見て、すっげぇ胸が熱くなった

かっこいいって、俺もあれくらい強くなりたいって


ちょっとでも俺を視界に入れて欲しくて、一人であいつらに挑んだ

マジで強かった、敵わねぇって思った

だから頼んだんだ 『仲間にしてくれ』って


仲間になった
いつでも3人でいたし、3人で暴れた

けど、あの二人には俺の入り込めない絆みたいなのがあるんだよ