「お二人……いつから……」
皆藤さんが、濡れた瞳を見開いてこちらを見つめる。
「ごめんごめん、リビングで話してたら聞こえちゃったんだよね」
そう言いながら、果心は悪びれる様子もない。
「声! あんた、皆藤さんを帰す気はあるのか。どーなのよ」
「まぁまぁ三島様、矛を収めてくださいませ。私どもも皆藤様のため、尽力したいと思っております。
ただ、やはりゲームはゲームです。ルールを破って1人だけ先に帰っていただくことは、残念ながら叶いません。お父様も最後に娘の顔が見られないなんて、さぞ残念でしょう」
立て板に水と言った感じで、その言葉に誠意はかけらも感じられない、が。
「最後に娘の顔が見られない」。その言葉は、皆藤さんに苦しむお父さんの状態を推察させるのに十分だった。
「ルールを破って帰るのがだめなら……ルールを守って帰ればいいわけですね」
皆藤さんが唸り声をあげる。
「そうでございます。たしかにルールを守って、ゲームをクリアして帰ってくだされば私たちには何の文句もございません! ただ……」
「……ただ?」
「ゲームをクリアする方法はただ一つ、両想いになることです。
しかし、両想いを計るためのたった一つの道である『LOVE or DEATH』第2回投票は、残念ながら明日の夜開催なのです。
果たして、それまで皆藤様のお父様のお命が持ちますでしょうか……フフフフフ」
声は心の底から愉快で仕方ないというように、笑いながら消えていった。
皆藤さんが、濡れた瞳を見開いてこちらを見つめる。
「ごめんごめん、リビングで話してたら聞こえちゃったんだよね」
そう言いながら、果心は悪びれる様子もない。
「声! あんた、皆藤さんを帰す気はあるのか。どーなのよ」
「まぁまぁ三島様、矛を収めてくださいませ。私どもも皆藤様のため、尽力したいと思っております。
ただ、やはりゲームはゲームです。ルールを破って1人だけ先に帰っていただくことは、残念ながら叶いません。お父様も最後に娘の顔が見られないなんて、さぞ残念でしょう」
立て板に水と言った感じで、その言葉に誠意はかけらも感じられない、が。
「最後に娘の顔が見られない」。その言葉は、皆藤さんに苦しむお父さんの状態を推察させるのに十分だった。
「ルールを破って帰るのがだめなら……ルールを守って帰ればいいわけですね」
皆藤さんが唸り声をあげる。
「そうでございます。たしかにルールを守って、ゲームをクリアして帰ってくだされば私たちには何の文句もございません! ただ……」
「……ただ?」
「ゲームをクリアする方法はただ一つ、両想いになることです。
しかし、両想いを計るためのたった一つの道である『LOVE or DEATH』第2回投票は、残念ながら明日の夜開催なのです。
果たして、それまで皆藤様のお父様のお命が持ちますでしょうか……フフフフフ」
声は心の底から愉快で仕方ないというように、笑いながら消えていった。



