LOVE or DEATH 愛し愛されデスゲーム

 突然、お店にかかっていた陽気なBGMが途切れた。


「痴話げんかはお済みになられましたでしょうか?」


 この声は。


 九条くんが前髪をぐしゃりと握りつぶす。


「フフフフフ、デートはお楽しみいただけましたでしょうか。少しばかり算段は狂いましたが、まぁデートにトラブルはつきものです。


 手錠イベントはただのカモフラージュでして、こちらが本番、街一つ貸し切った私どものデートコースをお楽しみいただける特別イベントでございました!」


 つまり、街を歩いていた子供も、お店でポテトをつまんでいた女子高生も、みんな運営が雇ったエキストラだったということだ。


 その証拠に、さっきまで隣で談笑していた女子高生たちは、一様にスリープモードに入ったロボットのように完全に動きを止めている。


「こちらで今回のイベント『ドキドキ!? 秘密の街デートin LOVEタウン』は終了となります。


 途中でかかっていただいたお医者様は、きちんと医師免許をお持ちの方です。九条くんの左腕打撲の診断に間違いはない、とのことですのでご安心くださいませ」