朝がやってきた。館の中で過ごす、初めての朝だ。


 昨日は色々ありすぎて、本当に疲れきって目覚ましもかけずに眠りについたけど、部屋の東に設置された大きな窓から差す朝日は、私を優しく起こしてくれた。


 ちなみに、この窓から館を脱出することは、昨日散々試したけど不可能だった。


 ガラスはそこに何も存在しないかのように綺麗に透き通っているくせに、その強度だけは一流で、叩いても殴ってもビクともしなかったのだ。


 寝ぼけ眼をこすりながらベッドから這い出ると、枕元に置いておいた着替えを手に取る。


 部屋のクローゼットには私が好きなブランドの服がぎゅうぎゅうに詰まっていたから、そこからラフなワンピースを昨日のうちに選んでおいた。


 ちなみに洗濯は、洗面所に最新式の大きな洗濯機が置いてあったので、それを使って自分たちでしろということらしい。