九条くんの左手の小指が、そっと私の右手に触れる。
「……道花、緊張しすぎ」
「そりゃするでしょ、楓だってしてるくせに」
その様子を果心に見られていた。
果心ははっと目を見開いたあと、すぐまたいつもの笑顔に戻って、
「道花、よかったね」
と祝福してくれる。
うん、ありがとう。果心もこれからじゃん?
そんな果心の隣には相川さんがいる。ずっとずっと命が奪われる悲劇の場所であったリビングは、今このときだけは2組のカップルの幸せを祈る祝福の場であるはず――。
「……道花、緊張しすぎ」
「そりゃするでしょ、楓だってしてるくせに」
その様子を果心に見られていた。
果心ははっと目を見開いたあと、すぐまたいつもの笑顔に戻って、
「道花、よかったね」
と祝福してくれる。
うん、ありがとう。果心もこれからじゃん?
そんな果心の隣には相川さんがいる。ずっとずっと命が奪われる悲劇の場所であったリビングは、今このときだけは2組のカップルの幸せを祈る祝福の場であるはず――。



