館で過ごす最後の朝は、2日目と同じ雲一つない晴天の朝だった。


 だけどここにはもう、二階堂さんはいない。目黒くんはいない。皆藤さんも、荻野さんもいない。


 おぞましい白の館で過ごした6日間が、走馬灯のように思い出される。


 だけど今日、泣いても笑っても最終日。


 私たちが掴み取る愛は、一体どんな形をしているのだろうか。




 相川さんと果心と、最後となる朝ごはんを食べる。


 今日は相川さんと一緒に、バイト先の看板メニューだったスコッチエッグサンドを作った。2日目の朝に食べたのと同じメニューだ。


 形は相川さん1人で作ったときより幾分か崩れてしまったけど、味は前と変わらなかった。


 失ったものも多かったけど、変わらないものもたしかにここにある。