太陽は雲に隠れている

私たちの高校初めての夏休みが始まった。
部活はほぼ毎日のようにある。
朝から夕方まで部活で夜になり蓮と自主練をする。
陸上漬けの毎日だったけど、それがまた楽しい。
きっと蓮以外の人だと楽しくはない。
「夜ってやっぱり涼しいね〜。」
「だな。」
いつからだろう。
最近ずっと頭痛が続く。
暑い中ずっと走ったりしてるからかな。
休憩を少し多めに取らないと熱中症になって倒れたら大変だから多めにとるか。
「あのさ、少し休憩しない?」
「体調でも悪いか?」
蓮が心配すると調子狂うな〜。
「ううん。熱中症になって倒れたら元も子もないなって思って。」
「ああ。そうだな。」
公園のベンチに座って10分くらいたった。
「蓮って好きな人とかいんの?」
ずっと聞いてみたかったこと。
「今日の叶夏はおかしいな。」
「普通よ。聞いてみたかったの。」
「…いるよ。」
蓮は私の目を見て言った。
「あ、いるんだ。美音が好きなの?」
「叶夏だよ。」
「え…」
私の中で一瞬時が止まった。
だって私も蓮が好きだから。


【蓮side】
「叶夏だよ。」
2人の中に少し沈黙が流れた。
そして、俺は現実に戻り取り返しのつかないことを言ってしまったと気づいた。
「あ!これは忘れろ!今のは聞かなかったことに…」
「するわけないじゃん。私だって蓮のこと好きなんだから。」
今日の叶夏はおかしい。
「叶夏熱でもあるんじゃないか?」
俺が叶夏のおでこに手をやるとじわじわと熱くなっているのが分かった。
「待って、近い…。熱ないから…。」
「でも顔熱くなってる。もしかしたら熱中症かもしんないから今日は帰るぞ。」
「顔が熱いのは蓮が近いから!あと、蓮のことは本当に好きだよ。友達としてじゃなくて、男として。」
「ほんまか?」
信じられなかった。
今まで叶夏がそんな素振りを見せたことがなかったら。
「ねぇ、言ってよ。」
「何を?」
「あーもう!蓮!私と付き合ってください!」
俺はどこまでもバカだ。
告白を相手からさせるなんて。
いつか俺からしようと思ってたのに。
「お願いします。」
俺たちは自主練していることをすっかり忘れていた。
「8月10日か〜。ハトの日だね!」
「ハトじゃねーだろ。ハートだろ。」
「うふふ。そうだね。」
この幸せがずっとずっと続いてほしい。



私たちはあの勢いで付き合ったけど、美音にどう言うか悩んでいた。
「私から美音に言っとこうか?」
「いや、俺から言っとくよ。」
「じゃあ頼むね。」
お盆休みに入り私たちの会話するのは自主練くらいしかない。
この時間を大切にしないと。


【美音side】