「わー、まだまだすごい降ってる。」
と、窓から外を見ながら言うと、
「あー、そう。
今日晩ごはんたこ焼きにしよーと思って!」
と、ケーキと共に買ってきたであろう食材を
冷蔵庫から出して、
準備を始めようとする将稀くん。
この前に我が家にたこ焼き器がある
と言う話をしたからだろう。
「将稀くん、今日泊まるよね?」
「うん、そのつもりだけど。」
と、準備をしながら話す。
「じゃあ急がないから
ちょっとだけ、こっち来て。」
ソファに座り直して、彼を呼んだ。
「何?」
不思議そうな表情の彼を座らせて
思いっきり、抱きしめた。
「史花さん?」
「将稀くんを独り占めタイム。」
「どうしたの急に?」
将稀くんはわたしの予想外の行動に
少し驚いてはいたけれど、
優しく頭を撫でてくれる。
「ん?好きだなーと思って。」
「珍しいね。」
彼の胸に耳を当てるようにくっつくわたしには
彼の表情が見えない。
「嫌だった?」
「全然。」
「だって、今週全然会えなかったから。」