上司を甘やかす方法



「史花さん?次は何が食べたいですか?」

今日も甘やかされている。
今日のメニューはチーズ入りハンバーグ。


美味しいはずなのに、
楽しいはずなのに、
今日の倉持さんの言葉が頭から離れない。


「んー、考えておくね!」

「史花さん、どうかしました?」


と、わたしを覗き込む。

「何もないよ。ありがとう。」

「あ、美味しくない?」

「いやいや!めちゃくちゃ美味しいよ!
ありがとう。」

「仕事、何か辛いことでもありました?」

「本当にないよ?
おいしさ噛み締めてただけ。」

彼は完全に納得はしていないけれど、
これ以上聞いても無駄だと思ったのか、
それ以上は追及してこなかった。


「あ、コーヒー入れるね?」

「あ、じゃあ、いただきます!」

わたしは後片付け担当。
斎藤くんはそれもしようとしてくれたけれど、
流石にそこは譲らなかった。

「お腹いっぱいで眠くなる。」
とソファに座って寛ぐ斎藤くん。