ある日の放課後、保健室に呼び出された。
内容はだいたいわかってる。

勝子のことだろう。

そんなこと思いながら、
保健室のドアを
ガラガラと、開く。

予想通り。

そこに、私を待っていたのは

勝子と親、雪江、山田先生。そして、母さん。
全員保健室のソファに座っている。

私は、母さんが座っているソファの隣に座った。

「愛夢ちゃん、みんなに誰かを無視してと頼むのもいじめだよ。」
と、言いながら
悲しそうな目で私を見つめる山田先生は、

普段は、笑顔で、優しい。

でも、今は、笑顔でなくなってるからなのかわからないけど、
なんだか心が痛む。

「愛夢!そんなことだめでしょう。
いじめのことを何回話してもわからないんの?」

と、山田先生の後は、母さんの𠮟る言葉。

でも、いじめをはじめたのは、雪江でしょう。
私ばかり攻めるのもおかしい。

そろそろ、私は、
「かつこを無視してって言ってないし。言ったのは雪江だよ!」

ずっと黙ってる雪江にむかっついてきた。
どうして何も言わないの。
あなたも関わってるだよ?


「雪江ちゃん、それは本当か。」
と、山田先生にきかれたゆき雪江は、泣き声で、

「うん。でも、愛夢に頼まれた。」

嘘つけ。
そんな、頼まれてないし。

「それでな、」と、雪江が続く。

「もし、せへんかったら、トモ。。。ダ、ち。。。や、めるって、言ってさ。。。」
と、ポロポロ落ちる雪江の涙。

雪江の泣いてるところは、何回か見たことがある。
だから、今の涙は嘘だとわかる。

雪江は、女優になれるぐらい演技がうまいから、
誰もバレないでしょう。