『彩さ』
「ん?」
『俺のこと好きなんじゃねーの?』

彩の座る目の前の机に両手をつくと、彩は俺のことを見上げた。その目が動揺して揺れ動く。

「え、っと…、」

さっきより赤くなる彩。それを見て、俺はあの後輩に対して優越感を抱いた。そこからは無意識。気づいたら唇を重ねてた。

「かけ、る…?」

俺を見上げて動かず、目を潤ませた彩が俺を呼んだ。

『、わり』
「っ、ずるいよ、」

そう、一つ涙を零した彩が、俺を押して教室を飛び出した。

どーしたいんだよ、俺は、