次の日、サークルの練習日。授業のある彩はすでに学校にいて、授業のない俺は時間に合わせて登校した。『もういる?』というLINEにはすぐ既読がついて、「図書館にいるよ!」と返事が来た。あとどれぐらいで着くかを伝えると、了解のスタンプが送られてくる。
サークルの部室なんて用意されていなかった。俺らが使ってる広めの練習スペースから1番近い空き教室にいつも集まってた。そこに向かって、まず目に入ったのは、空いている椅子に座る彩と、その隣に後輩の姿だった。
(俺、結構本気で花宮さんのこと好きっす)
なんでそんなに、顔を赤くしてんの…?
「、かけ、る?」
『わり、邪魔した?』
「あ、いや、」
(全然っす。俺、用あって今日出れないんで、すみません)
じゃ!と彩に手を挙げて、俺に会釈してその教室を出た後輩。
『…何の話してたの?』
「え?あー、去年の過去問ないかって聞かれた。私が勧めた授業取ってるらしくて、」
明らかに目を泳がせて嘘をつく彩。聞いてなかった振りを信じたらしい。なんで俺に隠す?まだ頬が赤いっつーの。


