サークル内で分けられたグループは、幸い彩と同じ。佐々木はアクロバットで別グループだった。振りをよく任される俺は、その相談を佐々木にしてたんだけど、今回はそんなの口実でしかなくて、彩に声を掛けた。
彩の奥で、佐々木が少しだけ複雑な表情をしているのが気になった。
あー、何やってんの?俺。友達でいるって決めたのに。
「もう振り決めてるの?」
『え?あー、だいたい』
「えー!どんな感じ?」
俺に向いた興味が嬉しくて、頬が緩むのを抑えた。
『今までにない感じにしたくて』
「新しい感じなの?翔の振りいつも難しいからな~ついてけるかな?」
『何言ってんの、振り覚え良いじゃんいつも』
「そう?」
今回も楽しみだな~なんて笑う彩。友達としてでも、隣にいられるならそれでいい。その方が、彩も幸せでいられるから。そうでしょ?
「じゃ、明日ね!」
『30分前な』
「わかった!」
授業が終わって、佐々木の代わりにバイトに向かった彩。残った佐々木に、[課題手伝ってよ~!]なんて言われたけど、笑ってかわして俺もバイトに向かった。


