[ねーーーー彩がペース早いんだけど!]
[これ絶対やばいやつ!]

そんな佐々木からのLINEに気づいたのはバイトあがった時。SNSにあがる短い動画から、同期で飲みに行ってるのはすぐに分かった。

『止めろよ佐々木』

そう返事を返せば、すぐに既読がついて

[バイト終わったなら来てよ!まだ飲んでるよ!]

なんて店の住所まで送られてきた。お酒がそれなりに好きな彩の楽しそうに飲む姿が想像できてしまった。俺も最初から居たかったなあ、なんて。その足はとっくに店に向かってる。

(え、翔?)

店員さんに話せば、すぐにいつもの場所にあいつらを見つけて、その中の誰かが俺に気づいて、彩が目を見開いた。

[あー俺が呼んだ!]
『バイト早めに終わったからきた』

彩の隣の佐々木が手を振るから、それにつられて彩の隣に向かう。

『彩出来上がってんじゃん、誰だよ飲ませたの(笑)』
(自分で飲んだんだよ!俺飲まされてんだけど)
『おーおー、じゃあ俺が相手になろうか?』
(なんでだよ!)

彩の手からジョッキを奪って代わりに飲み干した。彩とさんざん飲んでたから、同期はすぐに潰れた。彩の不服そうな顔が俺を見る。