これが自分

それから、何を話していいか分からなくて黙ってご飯を食べていると美々子ちゃんが話し始めてくれた。



「愛華って、人と話すのが苦手なタイプ？」



「うん、そんな感じ」



「そっか、じゃあ私から話すようにするね」



「あ、ありがとう」



素直に、嬉しい。


そんな事、言ってもらったのは初めてかもしれない。




「早速だけど、もしかして愛華って中学校でいじめにあってた？」



「え？なんで…」




「いや、なんかそんな感じがしただけ。私と話してる時あんまり目を合わせないから」




「あ、嫌だったらごめん」




「いいよ、謝らなくて」





「うん、美々子ちゃんは兄弟とかいるの？」




いくら美々子ちゃんでも、中学校のことを探られるのが嫌で話題を変えてみた。



「私？お兄ちゃんとお姉ちゃんがいるよ」



「いいね、私は弟だけだからお姉ちゃんとか憧れる」



話してるうちに、スラスラと会話ができるようになってきた。



「そうなの？確かに。お姉ちゃんは優しいし、お兄ちゃんは頼りになるなぁ」　



少し自慢ぽい言い方だけど、そこは気にしないようにする。



美々子ちゃんは、それから昼休みが終わるまでお姉ちゃんとお兄ちゃんのことを話してくれた。