遠く、近く、君を。

『 愛の笑顔が見れるといいなって思ってるよ。』
麗夜さん、それは無理だよ。わたしは笑う資格なんてないんだ。
｢っふ。ぐす。｣
だから嫌なんだ。1人になるとどうしても涙が出ちゃう。いつも無表情で感情がないように思われるけど、1人でいるときは沢山泣いてしまう。だめだ、東京にきてまで泣くなんて。
すると急にドアがあいた。
｢！！｣
麗夜さん…。わたしはとっさに顔を隠した。
｢どうしたんですか、急に。｣
できるだけ普通の声を意識して言った。
｢言ったじゃん。なんかあったら呼んでって。｣