遠く、近く、君を。

「ん。それでよし。あったかくして寝ろよ、風邪ひかないように。なんかあったらリビングで寝てるからいつでも呼びな。」
「はい。」
もう申し訳なくて返事しかできないわたしに麗夜さんが不意に口を開いた。
「愛」
「なんですか。」
「この家にいる間に愛の笑顔が1回でも見れるといいなって思ってるよ、俺は。」
…え?何言ってるの。笑顔?わたしが笑っても誰も得しないのに。麗夜さんは変だ。疫病神のわたしに優しくしてくれて気遣ってくれる。そして笑顔がみたいだなんて。
「わたしが笑うことなんてきっとないと思いますよ。今日はありがとうございました。おやすみなさい。」