遠く、近く、君を。

「私は、東京に来た時に死ぬ覚悟でいました。200万円を使いきったときに生きていたらまだ良い方かなと。
でもその200万円すらなくしてしまって、あの橋の上でこのまま死んでしまおうと思ってたんです。」
麗夜さんは私の話を黙って聞いてくれていた。だから続けた。
「でも麗夜さんに会って、こうして生きる環境を与えてくださって。感謝しています。でもだからこそこれ以上麗夜さんに迷惑はかけたくないです。3ヶ月泊めてもらうなんておこがましいけど、その間に仕事が見つからなくても出ていきます。」
そうだ、麗夜さんにずっと頼ってたら1人で生きていけなくなる。
橋の上で死に損なった私は、意地でも生きていかなきゃいけないんだ。