遠く、近く、君を。

さすがは大物芸能人というか、とにかく広い家だった。さっきの橋もこの家から見渡せるほどの高さに位置するこの家は東京とは思えないほどの空気が綺麗なところにあった。
「お邪魔します。」
落ち着いた雰囲気のこの家がこれからわたしの住む場所になるなんて。
ソファーへ促され座っているとレイが温かいミルクティーを持ってきてくれた。さっき暗くて見えなかったけど、レイはたくさんのファンがいて、その綺麗な顔つきは少し胸を高鳴らせた。かっこいいかも。
すると隣に座ったレイが口を開いた。
「俺の名前は麗夜。レイってのは芸名だ。24歳で知っての通りアーティストと俳優業をしている。」