遠く、近く、君を。

超大物芸能人に話しかけてるなんて感慨深いな。するとレイは言った。
「そんなことあるわけないだろ。」
ムカッ。あんたに言われなくても分かってるわよそんなこと。
そう思ったけど口に出すのは面倒だったのでレイを無視して背を向けた。そーだよ、わかってるよ。レイの登場で死に損なったわたしは明日からどうにかして生き延びる方法をは探さなきゃ。そう思って歩きだそうとしたその時。
「どこ行くの」
レイに呼び止められた。
は?何言ってんのこの人。
「決まってないですよそんなの。」
レイの優しい声に正直に答えてしまった。
「君、もしかして家出?何も持ってないのに?」