ホテル役員の前で公表した時も、驚きの中にあからさまに敵意を向けている役員もいた。
誠之助よりもアクティブで新しいことを積極的に取り入れようとする遥翔の経営方針をよく思わない人間もいるのだ。
特に専務一派と呼ばれる数人は、明らかに遥翔と依舞稀の結婚を祝福してはいないように見えた。
依舞稀に媚を売ってくる人間も専務一派の部下が多いように感じる。
つまりは仕事はできないのも関わらず、権力は大好きな人間が多いということ。
要注意していなければ、面倒なことに巻き込まれかねない。
「三人は変わらず接してね。誰とどんな結婚しようと、私が私でいることに変わりはないんだから」
依舞稀が遥翔から猛アプローチされていた時から、何も変わらなかった三人だ。
結婚したからといってきっと変わりはしないだろうと信じてはいるが、願いを込めて依舞稀はそう言った。
「当たり前じゃない。依舞稀は依舞稀よ。私達の何が変わるって言うのよ」
依舞稀の隣に座っている璃世は、明るく笑って依舞稀の肩をポンポンと叩いた。
「依舞が変わっちゃったらわからないけどね~」
花音が意地悪く微笑むと、「そんなこと絶対にないです」と依舞稀は焦って否定する。
「大丈夫。わかってるわよ。依舞が転科もせず旧姓で働くのがその表れでしょ?私達はちゃんとわかってるわ」
自分の思いをしっかりと理解してくれている花音の言葉は、涙が出そうに嬉しかった。
「私達は大丈夫だけど、くれぐれも気を付けてくださいね。副社長は女子社員にめちゃくちゃ人気あるんですから。絶対に何かしでかしてくる女もいますよ」
まさか、とも思ったが、美玖の言葉を痛感するのに時間はかからなかった。
誠之助よりもアクティブで新しいことを積極的に取り入れようとする遥翔の経営方針をよく思わない人間もいるのだ。
特に専務一派と呼ばれる数人は、明らかに遥翔と依舞稀の結婚を祝福してはいないように見えた。
依舞稀に媚を売ってくる人間も専務一派の部下が多いように感じる。
つまりは仕事はできないのも関わらず、権力は大好きな人間が多いということ。
要注意していなければ、面倒なことに巻き込まれかねない。
「三人は変わらず接してね。誰とどんな結婚しようと、私が私でいることに変わりはないんだから」
依舞稀が遥翔から猛アプローチされていた時から、何も変わらなかった三人だ。
結婚したからといってきっと変わりはしないだろうと信じてはいるが、願いを込めて依舞稀はそう言った。
「当たり前じゃない。依舞稀は依舞稀よ。私達の何が変わるって言うのよ」
依舞稀の隣に座っている璃世は、明るく笑って依舞稀の肩をポンポンと叩いた。
「依舞が変わっちゃったらわからないけどね~」
花音が意地悪く微笑むと、「そんなこと絶対にないです」と依舞稀は焦って否定する。
「大丈夫。わかってるわよ。依舞が転科もせず旧姓で働くのがその表れでしょ?私達はちゃんとわかってるわ」
自分の思いをしっかりと理解してくれている花音の言葉は、涙が出そうに嬉しかった。
「私達は大丈夫だけど、くれぐれも気を付けてくださいね。副社長は女子社員にめちゃくちゃ人気あるんですから。絶対に何かしでかしてくる女もいますよ」
まさか、とも思ったが、美玖の言葉を痛感するのに時間はかからなかった。

