どうするもこうするも、ただ依舞稀に会いたくて、あわよくばプロポーズを了承してほしいと思っているだけだ。
いつの間にか契約で結婚を了承させるつもりが、必死にプロポーズしている。
この変化に遥翔自身、気付いているのであろうか。
「俺はただ、そろそろいい返事が聞きたいだけだ」
『はい』と一言『結婚する』と二言。
それを依舞稀の口から聞きたいだけなのだが。
なんて勝手な男だと思っている依舞稀からは、その言葉を引き出すのは至難の業かもしれない。
あれだけ毎日しつこく追い回しておきながら、突然何も言わずに目の前から消えて、不本意ながらやきもきしていたら他の社員に出張だと教えられるとは腹ただしい。
よくよく考えれば当たり前のことなのだろうが、それを不服に思ってしまう自分の感情にも腹が立つのだ。
「返事はずっとしてるじゃないですか」
「俺の何が気に入らないっていうんだ」
「何も話さず出張に行ったくせに、よく言いますよね」
依舞稀がそう言った時、遥翔の頭の中には八神の言葉が思い出されていた。
『いいですか?そう言われた時には、こう切り返すんです。どうして……』
「どうして話さなきゃいけないんだ?俺とお前はまだそんな関係じゃないだろう?」
「っ……」
グッと言葉に詰まったかのように口を噤んだ依舞稀を見て、遥翔はやっと疑問を持ち始めた。
もしかしてこれは、言わない方がいい言葉だったんじゃないかと。
いつの間にか契約で結婚を了承させるつもりが、必死にプロポーズしている。
この変化に遥翔自身、気付いているのであろうか。
「俺はただ、そろそろいい返事が聞きたいだけだ」
『はい』と一言『結婚する』と二言。
それを依舞稀の口から聞きたいだけなのだが。
なんて勝手な男だと思っている依舞稀からは、その言葉を引き出すのは至難の業かもしれない。
あれだけ毎日しつこく追い回しておきながら、突然何も言わずに目の前から消えて、不本意ながらやきもきしていたら他の社員に出張だと教えられるとは腹ただしい。
よくよく考えれば当たり前のことなのだろうが、それを不服に思ってしまう自分の感情にも腹が立つのだ。
「返事はずっとしてるじゃないですか」
「俺の何が気に入らないっていうんだ」
「何も話さず出張に行ったくせに、よく言いますよね」
依舞稀がそう言った時、遥翔の頭の中には八神の言葉が思い出されていた。
『いいですか?そう言われた時には、こう切り返すんです。どうして……』
「どうして話さなきゃいけないんだ?俺とお前はまだそんな関係じゃないだろう?」
「っ……」
グッと言葉に詰まったかのように口を噤んだ依舞稀を見て、遥翔はやっと疑問を持ち始めた。
もしかしてこれは、言わない方がいい言葉だったんじゃないかと。

