二人が入ったのは副社長室だ。
依舞稀にとっては二度目となるが、やはり居心地が悪い。
しかも二人で話がしたいというわりに、八神がのんびりとコーヒーを啜っているのだから当然かもしれない。
「おや、本当に引っ張ってきたんですか?」
依舞稀の顔を見て八神は目を丸くしたが、さほど驚いている様子はない。
それもそのはず、八神にはこうなることくらいお見通しだったのだから。
もっというなれば、この後の展開もお見通しだ。
目の前でまじまじと見ていたい気持ちはあるのだが、さすがにそれは依舞稀に対して失礼というものだろう。
「隣の執務室にいます。何かあったら呼んでください」
二人にそう言うと、八神は飲みかけのコーヒーカップを持って続き扉に消えていった。
やけに素直に出て行ったな……。
遥翔はそう思ったが、自分のことを思っての行動だろうと考えることにした。
本当にそうならば八神の株も上がるというものだが、実際のところは……。
「ここの壁、意外に薄いんだよなぁ」
扉に背を預けると、そこまでクリアではないにして、多少の声は耳にする事ができる。
隣の部屋でニヤリと笑みを浮かべている八神のことなど知りもせず、遥翔は依舞稀をソファーに座らせると咳払いをした。
「こんなところに連れて来て、どうするつもりですか」
ふてくされた表情で依舞稀がそういうと、遥翔は内心焦ってしまう。
依舞稀にとっては二度目となるが、やはり居心地が悪い。
しかも二人で話がしたいというわりに、八神がのんびりとコーヒーを啜っているのだから当然かもしれない。
「おや、本当に引っ張ってきたんですか?」
依舞稀の顔を見て八神は目を丸くしたが、さほど驚いている様子はない。
それもそのはず、八神にはこうなることくらいお見通しだったのだから。
もっというなれば、この後の展開もお見通しだ。
目の前でまじまじと見ていたい気持ちはあるのだが、さすがにそれは依舞稀に対して失礼というものだろう。
「隣の執務室にいます。何かあったら呼んでください」
二人にそう言うと、八神は飲みかけのコーヒーカップを持って続き扉に消えていった。
やけに素直に出て行ったな……。
遥翔はそう思ったが、自分のことを思っての行動だろうと考えることにした。
本当にそうならば八神の株も上がるというものだが、実際のところは……。
「ここの壁、意外に薄いんだよなぁ」
扉に背を預けると、そこまでクリアではないにして、多少の声は耳にする事ができる。
隣の部屋でニヤリと笑みを浮かべている八神のことなど知りもせず、遥翔は依舞稀をソファーに座らせると咳払いをした。
「こんなところに連れて来て、どうするつもりですか」
ふてくされた表情で依舞稀がそういうと、遥翔は内心焦ってしまう。

