「いくら副社長だからって、恋愛においては何の権限もないはずでしょ?自分の気持ちを依舞稀に押し付けないで欲しいわ。子供の遊びじゃないんだから」
そう言いながらエレベーターの上下ボタンを押そうと璃世が手を伸ばしたとき。
背後から伸びてきた手をが依舞稀と璃世の間を抜けて、ボタンを塞いだ。
「ひゃっ」
二人して驚き方をすぼめると、依舞稀は力強く肩を引かれた。
「悪いが……遊んでるわけでも押し付けてるわけでもない。懇願してるだけだ」
少し息が乱れた声の主は、いわずもがな遥翔であった。
「げ……」
言葉にならないほどに驚いた璃世はその場から大きく後退り、目を見開いて驚きを表していた。
「ちょっと連れてく」
遥翔はそう言うと、璃世の返事など待つこともなく、依舞稀の手を引いてもと来た方向へと速足で歩いて行った。
「ちょっと……待ってくださいっ」
依舞稀が遥翔の手を引き離そうとするのだが、遥翔はさらに力を入れて依舞稀を役員専用エレベーターに引きずり込んだ。
「一週間も待ったんだ。話くらいさせてくれてもいいだろ?」
「な……」
よく恥ずかしげもなくそんなことが言えるものだ。
依舞稀は自分の頬が赤くなるのを感じて、素早く遥翔から顔を背けた。
「俺もいろいろ思ったことがある。もう一度ちゃんと話をしたいんだ」
何を話したいのかわかっているが、今の遥翔から聞けば自分の気持ちが揺らぐ気がして、依舞稀は僅かな恐怖を感じた。
そう言いながらエレベーターの上下ボタンを押そうと璃世が手を伸ばしたとき。
背後から伸びてきた手をが依舞稀と璃世の間を抜けて、ボタンを塞いだ。
「ひゃっ」
二人して驚き方をすぼめると、依舞稀は力強く肩を引かれた。
「悪いが……遊んでるわけでも押し付けてるわけでもない。懇願してるだけだ」
少し息が乱れた声の主は、いわずもがな遥翔であった。
「げ……」
言葉にならないほどに驚いた璃世はその場から大きく後退り、目を見開いて驚きを表していた。
「ちょっと連れてく」
遥翔はそう言うと、璃世の返事など待つこともなく、依舞稀の手を引いてもと来た方向へと速足で歩いて行った。
「ちょっと……待ってくださいっ」
依舞稀が遥翔の手を引き離そうとするのだが、遥翔はさらに力を入れて依舞稀を役員専用エレベーターに引きずり込んだ。
「一週間も待ったんだ。話くらいさせてくれてもいいだろ?」
「な……」
よく恥ずかしげもなくそんなことが言えるものだ。
依舞稀は自分の頬が赤くなるのを感じて、素早く遥翔から顔を背けた。
「俺もいろいろ思ったことがある。もう一度ちゃんと話をしたいんだ」
何を話したいのかわかっているが、今の遥翔から聞けば自分の気持ちが揺らぐ気がして、依舞稀は僅かな恐怖を感じた。

