契約結婚!一発逆転マニュアル♡

しかし仕事が大切であるのも当たり前で。

今手にしている書類を片付けて、最後にもう一人会談しなければ帰る事もできないのだ。

依舞稀は今頃何をしているだろうか。

もう一週間も顔を見せていない遥翔のことを、薄情な男だと思ってはいないだろうか。

出張の予告どころか、電話の一本もしていないのだから、そう思われていても仕方ない。

いや……本当は仕方ないなどとは思いたくもないのだが。

依舞稀の個人情報の全てを調べさせた遥翔にとって、依舞稀のスマホのナンバーなど、当然のように知っている。

連絡も、しようと思えばいつでもできたのだ。

そんな立場にありながら、ではなぜ遥翔は依舞稀に連絡の一切をしなかったのか。

それは八神の一言にあった。

「副社長が緒方さんに連絡したい気持ちはわかりますが……。そもそも番号はどうしたんですか?」

「そんなのお前も知ってるだろう?アイツのことは全て調査済みだ」

自信満々にそう言った遥翔に、八神は呆れたような視線を向けた。

「そう、副社長は調べさせたんですよね?本人に聞いたわけでもなく、ましてや本人から教えられたわけでもなく、金で人を雇い、勝手に緒方さんの身辺調査をした」

「そんな嫌な言い方するか?普通」

「それが事実ですので」

自分がしたこととはいえ、人からこのような言われ方をすると、自分が非常識な人間に思えてきてしまう。